公家道樂(シンジ)さんのセミナーを受けてみた
- 2016/10/21
- 02:47
2016年10月某日
いつも通りTwitterのタイムラインを見ているとこんなツイート↓
秋の東京セミナーやります。10月15日19時半から新宿三丁目にて。今回はアポでの振る舞いと考え方について重点的に話そうかなと思います。お申込みはこちら。https://t.co/mnLMDBkqn3
— 公家道樂 (@qqille) 2016年10月5日
ほえー、講習を辞めはったって仰ってたけど、最近はセミナーに力を入れてはるんや。
にしても、ブログが「性とナンパについて渋谷で考えた」やのに、新宿でやるんや。
…ちょっと待てよ、その日は友達の結婚式でちょうど新宿行くやん。
間に合いそうやったら行ったろ。
当日
結婚式の披露宴を終えて18時半。
シンジさんのセミナー間に合うやん。
LINEを送ってみる。
岩クマー「席空いてます?」
公家「我準備得好了」
よし、大丈夫みたいやな。
GoogleMAPを頼りに新宿駅から歩いて10分ほどで会場に到着。
開始10分ほど前にセミナー会場に入る。
既に席には参加者の方々が数名いらっしゃり、奥にはシンジさんがリラックスした状態で待つ。
「セミナー」と銘打っているので小奇麗な恰好かと思いきや、ヨレヨレのTシャツに短パン、足元には汚れたスニーカーといつも通りの服装。
プレーンな公家シンジである。
少し前までは、これにロン毛+ヒゲを蓄えた、ホームをレスしちゃったような風貌やったからな。
挨拶をして、差し入れに缶コーヒーと結婚式の引き出物の洋菓子を渡して(決して荷物を減らしたかったワケではない)、他の参加者の方々と同じように開始を待つ。
会場はどことなく暗い雰囲気。
そりゃそやな、本来ナンパなんてアンダーグラウンドなモノで、いわば秘め事なんやし。
そんな怪しい世界に足を踏み入れようとしている、または踏み入れたばかりの初対面の方々が集まって、和気あいあいと「ウェーイ」なんてできるはずがない。
そんな重々しい空気の中、シンジさんが口を開く。
シンジ「公家シンジです!最近道樂に改名したんですけど(笑)」
参加者一同「…」
シンジ「みなさん、インタビュー記事読まれました?どうでしたか?」
参加者一同「…」
おいおい、ツカミから大滑りやん、大丈夫か。
壁に映し出される資料に沿ってシンジさんの講義が始まる。
初めてでも親しみを感じるであろうその声は参加者の一人一人を突き刺すように訴えかけ、全身を使い伝えたいことを表現するその姿は「公家シンジ劇場」といったところだろうか。
内容の詳細については触れれないが、
「学ぶ順序を間違えると『どの口が言うとんねん』となる」
「自分というコンテンツをさらけ出す」
「声かけは相手の舞台に立つイメージ」
「ランク2・3の女は『ナンパ師の肥やし』と呼んでいる」
など、例え上手のシンジさんらしい面白く分かりやすい表現が頻発。
僅かずつではあるが参加者側からも笑い声が聞こえるようになっていく。
「ランク、いわゆるスト値ですね。
スト値を付けることに関して否定的は人もいますけど~」
と明らかに僕を指した発言をしてくださったりも。
「大勢に話すのは得意ではない」と仰っていたように、所々でぎこちなさを感じ取れたが、参加者を飽きさせないように話を振ってみたりと、要所で彼なりの工夫も見られた。
グダ崩しのくだりの際、次々と出されるお題(グダ)を出して、参加者の方々を指名して回答(グダ崩し)を求めるシンジさん。
戸惑いながらも必死に回答していく参加者の方々。
その姿はまるで、イジワル野球経験者が、グローブを持ったばかりの野球素人に容赦のないノックをしているよう。
ちなみに僕は「まだか、まだか」とノックを待ち構えてるも、最後まで打球は飛んでこず。
チッ、ヘタレめ。
そんな感じでセミナーは途中10分の休憩を挟んで2時間半に渡って行われ、多くのゲスな発言や暴言があったにも関わらず、最後には聖人のようなありがたいお言葉で参加者の拍手を強引に誘い、無理くり締めくくられた。
ここで昔話を一つ。
僕とシンジさんが出逢ったのは5年前、彼がまだ講習を始める前。
彼が大阪のミナミにいらっしゃるとツイートされていたので、僕の方から要請をして合流していただいた。
僕は沖縄から帰ってきたばかりでお土産の5個入りくらいのサータアンダーギーを渡すと、彼はその全てをナンパのアイテムとして消費してしまったのを覚えている。
そんな彼が先月沖縄から電話越しに「オレ、沖縄あんま好きじゃないかも…」と仰った際は、ハブに噛まれて死んでヤンバルクイナの餌になればいいのにと願った。
Twitterでのシンジさんは、オカズになるようなエロい画像を載せてくれるワケでもなく、ナンパ欲をそそる即報を上げたりもせずに、シュールを気取った意味不明発言ばかりをしている。
いつも鼻をほじりながらそんなツイートの連投を眺めていると、鼻の中の人差し指が脳天まで貫通してしまうほどハッとさせられる的を射た格言を稀につぶやく。
どんなにアホなツイートばかりしようが、家電業者にアカウントを乗っ取られようが、何年もフォローを続けて外さなかった理由がそこにある。
今回のセミナーでは、無数のゴミツイートの中に隠れていたその宝石のような格言をかき集め、それらを一繋ぎのアクセサリーとして見せてくれた、そんな印象を受けた。
そもそも僕が参加してみようと思った理由は主に以下の2つ。
・Twitterのナンパアカウントで知り合った5年来の友人のお仕事っぷりを見たかった
・ナンパセミナーとはどういったものか興味があった
セミナー自体は「初心者・初級者向け」をうたっていたので、ぶっちゃけた話、内容については「少しは得るものがあればええかな」くらいの気持ち。
だがしかし、僕にとっては得るものが多く価値のあるセミナーとなった。
今回のセミナーを言い表すなら
「ナンパ指導の研究発表会」
といったところ。
・ナンパを学ぶ順序
・メンタルと柔軟さ
・自己開示とは
・成果主義
などについては、僕が今後ナンパを教えるにあたって大いに参考になるものになった。
はっきり言って、今回の参加者の中で僕が誰よりも勉強させていただいたと思う。
あまりヨイショばかりして媚びているように思われるのもシャクなので、批判的なことも記しておこう。
引っかかったのは、このセミナーは果たして初心者・初級者にとって参考になったのかという点だ。
何を意識するかについては知ることができても、どう行動して何を伝えれば良いかなど、実用的なノウハウがあまりにも少ないように思えた。
例えるなら、数学で次々と公式を教えられるが例題はほとんど解いていない状態。
勘の良い方なら、実際に女性と接してその公式が必要な場面に出くわした際、進研ゼミよろしく「ここ、公家セミナーでやったとこだ!」となり答えを導き出せるだろう。
しかしこれは一握りの勘の良い方の話で、万人がこうスムーズに進みはしない。
初心者にとってはなおさらである。
僕のレッスンでも、連れ出し・アポ~おセックスの流れを座学でお教えしても「想像できない、ピンとこない」とのご意見をいただくことがある。
大切なのは、「言葉」ではなく「心」で理解できた!だと僕は考える。
ただ、内容を詰め込み過ぎるとセミナーの時間がどれだけあっても足りないという事も考慮してあげたい。
他には、
・会話における恋愛話と下ネタの必要性の説明がない
・コントロールと誘導の違いが曖昧ある
・「だんどり」という言葉のチョイスのセンスがダサい
・仲間の大切さを語ったかと思いきや、「不要になれば切ればいい」と言い出す冷酷さ
などの不満な点が見られた。
最後に。
惜しみもなくメディアに顔を晒し、読者を引き込むようなアホで知的なブログを書き、小汚い風貌で女性を落とし、ナンパを利用して金儲けをする。
それが公家シンジ改め、公家道樂という男である。
ウソかホントか分らんような即報を上げまくる承認欲求の塊のようなナンパ師や、その先の金儲けが丸見えのインテリ気取った薄っぺらい恋愛工学生が次々と現れるこの昨今、彼のようなカリスマは未だ現れていない。
そんなカリスマを拝んでみたい。
研究発表会を聞いてみたい。
そんな方々は是非セミナーへ参加してみてはいかがだろうか。